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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻7号

1979年07月発行

原著

癌性変化をきたしたOral florid papillomatosis

著者: 田村晋也1 北村啓次郎1 籏野倫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.633 - P.637

文献概要

 58歳男性の口腔内に多発性の疣状腫瘤が見られ,臨床及び組織像よりOral floridpapillomatosis (OFP)と診断した.しかるに病巣部の一部(左上顎歯齦部)に扁平上皮癌の組織像を認め,入院後の検査にて左上顎洞にX-P上腫瘍の浸潤像が発見された.扁平上皮癌が歯齦粘膜より生じたのか,あるいは上顎洞粘膜より生じたのか,組織学的には確認できなかったが,手術時の所見よりOFPの一部が癌性変化をきたし上顎洞へと浸潤したものと考えられた.治療としてブレオマイシン総量300mg静注を行うとともに扁平上皮癌のみられた左上顎部は左上顎部分切除術を施行し以後経過良好である.本症の悪性変化と類症について若干の文献的考察を行うとともに,OFPは良性の乳頭腫症あるいは偽癌症とするより前癌状態として取り扱うべきものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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