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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻7号

1979年07月発行

薬剤

実験的皮膚炎症と抗プラスミン剤の効果

著者: 石原紘1 矢村卓三1 出来尾哲2

所属機関: 1広島大学医学部皮膚科教室 2広島鉄道病院皮膚科

ページ範囲:P.671 - P.677

文献概要

 炎症という一連の現象は物理的,化学的因子,微生物の侵襲などの生体に有害な因子によって惹起される普遍的で複雑な個体の防御反応である.その発現機序は必ずしも同一ではないが,Celsusは炎症の症状は,発赤,腫脹,熱感,疼痛の4主徴よりなると定義しているが,この概念は現在でも広く用いられている.Aschoff1)らは炎症を病理学的に観察し,Materielle Affektionenは生体の間葉系における防衛反応であると考えた.またFlorey2)によって炎症は過程であって1つの状態ではないということが述べられ,現在も炎症は一連の連続した過程であると既に一般的に広く考えられている.
 1970年青木3)らは炎症過程を3期に分類し,第Ⅰ期は血管拡張と血管透過性亢進,第Ⅱ期は白血球遊走と細胞浸潤,第Ⅲ期は結合織増殖・血管新生・肉芽形成および再生修復によって特徴づけられるとした(図1).第1期にみられる現象の1つである血管透過性亢進の発現機序については1920年代になってDale4),Lewis5)らによって最初に研究され,ヒスタミンの関与に注目した.それ以後Van Menkin6)(1937年),Rocha e Silva7)(1949年),Miles & Wilhelm8)(1955年),Inderbitzen9)(1961年),Willoughby & Spector10)(1962年),Ratnoff11)(1965年),林12)ら(1966年),Chung13)(1971年)らによって生体にはヒスタミン以外にいくつかの血管透過性亢進物質が存在することが明らかにされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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