文献詳細
薬剤
実験的皮膚炎症と抗プラスミン剤の効果
著者: 石原紘1 矢村卓三1 出来尾哲2
所属機関: 1広島大学医学部皮膚科教室 2広島鉄道病院皮膚科
ページ範囲:P.671 - P.677
文献概要
1970年青木3)らは炎症過程を3期に分類し,第Ⅰ期は血管拡張と血管透過性亢進,第Ⅱ期は白血球遊走と細胞浸潤,第Ⅲ期は結合織増殖・血管新生・肉芽形成および再生修復によって特徴づけられるとした(図1).第1期にみられる現象の1つである血管透過性亢進の発現機序については1920年代になってDale4),Lewis5)らによって最初に研究され,ヒスタミンの関与に注目した.それ以後Van Menkin6)(1937年),Rocha e Silva7)(1949年),Miles & Wilhelm8)(1955年),Inderbitzen9)(1961年),Willoughby & Spector10)(1962年),Ratnoff11)(1965年),林12)ら(1966年),Chung13)(1971年)らによって生体にはヒスタミン以外にいくつかの血管透過性亢進物質が存在することが明らかにされた.
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