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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻9号

1979年09月発行

文献概要

原著

早死産後,脳症状を併発したヘルペス性歯肉口内炎

著者: 加賀美潔1 上田恵一1 西村彰文1 宮本宣博2

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室 2京都府立医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.827 - P.832

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 妊娠9ヵ月で早死産した35歳女子が産褥中に,歯肉口内炎に脳障害を併発し意識に混濁をきたしていたが,高熱に続いて全身の強直性痙攣発作を起こした.PSR,ASRの亢進など病的反射のほか,髄液の細胞数増多,糖の増加,EEGの異常を認め,口唇血痂からニワトリ漿尿膜上にpockを培養し,電顕でHSVであることを確かめた,対血清ではHSVに対するCF抗体が8倍から64倍に上昇していた.病極期にBUN,血中クレアチニン値の著明な上昇を来し,腎障害による脳症状も合併したと考えられた.
治療はVIG(Vaccinia Immune Globulin)を大量に筋注したが,何ら精神・神経学的後遺症を残すことなく治癒した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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