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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻10号

1980年10月発行

文献概要

原著

神経鞘腫—その2例と本邦皮膚科領域における報告例の総括

著者: 奥田長三郎1 竹内誠司1 佐藤信輔1 猪股成美1 岡吉郎12

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室 2長岡赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.909 - P.914

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 多発性ならびに単発性神経鞘腫の各1例を報告し,本邦皮膚科領域で発表された神経鞘腫63例と併せて統計的観察を行った.自験多発例では皮膚以外の部に腫瘍の存在を疑わせる所見がなく,また頭部腫瘍の被覆皮膚の一部に上皮性奇形を伴った腫瘍が見られた.統計上では皮膚の多発性神経鞘腫は従来考えられていたほど稀ではなく,かつ圧倒的多数が男子であった.また多発型は単発型に比して発症年齢が低く,しかも他臓器の腫瘍を合併する例が多いことが注目される.これらの点から多発性神経鞘腫は一種の母斑症とすべきものではあるが,神経鞘腫以外に所見のない症例はRecklinghausen母斑症とは区別すべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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