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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻10号

1980年10月発行

原著

Leser-Trelat Signの1例

著者: 黄十糸子1 犬井三紀代1 三重野寛治2 瀬戸輝一3

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科教室 2帝京大学医学部外科 3帝京大学医学部第1病理

ページ範囲:P.965 - P.968

文献概要

要約 76歳,男性.痛風,狭心症様発作のため内服加療中に,瘙痒を伴う紅斑が出現した.薬剤変更,副腎皮質ホルモン内服にて軽快するもやがて再発を繰り返し,1ヵ月でほぼ全身に拡大したため当科受診,入院となった,皮疹は多形滲出性紅斑様で全身に及び,融合一致して鱗屑を伴っていた.これらの紅斑は再燃する際には,全身に多発する老人性疣贅の周囲より生ずる傾向がみられた.老人性疣贅は紅斑出現と時期を同じくして急に数,大きさとも増したという.この所見はLeser-Trélat徴候と一致するものと考え,精査したところ早期胃癌が発見された.胃部分摘除術を施行したが,術後経過が思わしくなく死亡した.剖検所見を記載し,若干の考察を行ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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