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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻11号

1980年11月発行

文献概要

原著

Arthroderma vanbreuseghemiiによるケルスス禿瘡の1例

著者: 渡辺晋一1 滝沢清宏1 飯島正文1 関利仁1 西本勝太郎2

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室 2長崎大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1033 - P.1039

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 Arthroderma vanbreuseghemiiは1973年高塩によってTrichophyton mentagro—phytes complexの完全形(perfect state)として報告されたものだが,本邦ではA.van—breuseghcmiiによるケルスス禿瘡を臨床的に詳細に報告したものはない.我々はSLEの経過中生じたケルスス禿瘡より得た分離菌がA.vanbreuseghemii"+"株だったので,その詳細を報告した.症例は29歳の女性.11年前発症したSLEのためステロイドの内服及び外用療法をうけていたところ,ケルスス禿瘡,両手背に小水疱性斑状白癬が生じた.分離菌はいずれもT.mentagrophytes (asteroides)で,A.vanbreuseghemiiのtestcr株との間で交配試験を行った結果,A.vanbreuseghemii"+"株と同定された.あわせてA.vanb—reuseghemii感染症の本邦報告例について若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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