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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻11号

1980年11月発行

文献概要

原著

粘液水腫性苔癬

著者: 細井洋子1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1090

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要約 43歳男.約2年前より後頭部,項部に自覚症状のない黄褐色蠟様光沢を有する丘疹が集簇して生じ,臀部では散在性に生じている.一般臨床検査成績では軽度肝機能障害を示す以外に特に異常なく,甲状腺機能を含め内分泌学的検査にも異常を認めない.皮疹の組織学的検査で真皮上層に著明な浮腫および膠原線維の断裂,離開を認め,その部分にムチン物質の沈着がみられ,粘液水腫性苔癬と診断した.なお,本症例は手指関節背面にknuckle pads様皮疹を多数みとめたが,組織学的検査では真皮下層に限局して幼若膠原線維の増殖のみでムチン沈着はみられなかった.あわせて,本症例の臨床像,組織像および病因等について若干の文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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