文献詳細
原著
単純性血管腫に対するアルゴンレーザー治療の組織学的検討
著者: 鈴木茂彦1 森口隆彦2 井上邦雄2
所属機関: 1静岡労災病院形成外科 2浜松医科大学皮膚科形成外科診療室
ページ範囲:P.1123 - P.1129
文献概要
照射前の組織像を,まず毛細血管の拡張程度から,Ⅰ.毛細血管がほとんど拡張していないもの,Ⅱ.拡張血管と拡張していない血管が混在しているもの,Ⅲ.ほとんどの血管が拡張しているもの,の3通りに分け,さらに,Ⅱ型,Ⅲ型を拡張血管の分布から,S.真皮上層にとどまっているもの,d.真皮令層に及んでいるもの,の2段階に整理し,全部で5つの組織型に分類した.
この分類にしたがって照射前後の組織像を比較したところ,組織学的にみた治療効果はⅡs型,Ⅲs型が最もすぐれ,Ⅲd型,Ⅱd型と続き,Ⅰ型が最も劣ることがわかった.また照射後6ヵ月以上経過した45例を組織別に分け,臨床効果を調べた結果も同様であった.
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