文献詳細
文献概要
原著
Intravascular Papillary Endothelial Hyperplasia
著者: 木村俊次1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1131 - P.1137
文献購入ページに移動1) Intravascular papillary endothelial hyperplasia (IPEH)の5例を報告した.IPEHはhemangioendotheliome vegetant intravasculaire (Masson)およびintravascularangiomatosisと同症と考えられ,組織所見が血管肉腫あるいは悪性脈管内皮腫と類似する点で注目されたものである.
2)自験例は37歳男右手掌(典型的IPEH),16歳男左頬(初期IPEH),53歳男左手掌(初期IPEH),56歳女下口唇(動静脈瘻に合併),28歳女右手掌(capillary hemangiomaに合併)に生じたもので,いずれも組織学的に乳頭状の内皮増殖,すなわち互いに交通する血管腔を囲み,一層の内皮細胞で覆われた乳頭状の索状形成,が多少とも認められた.
3) IPEHおよびその類症について原著論文中心に検討し,ある程度の臨床的特徴がみられること,血栓およびその器質化と関係が深いこと,何らかの基礎疾患に続発したものと考えられること,良性かつ反応性の増殖である点でIPEHという名称が現時点では最も好ましいことなどを指摘した.
2)自験例は37歳男右手掌(典型的IPEH),16歳男左頬(初期IPEH),53歳男左手掌(初期IPEH),56歳女下口唇(動静脈瘻に合併),28歳女右手掌(capillary hemangiomaに合併)に生じたもので,いずれも組織学的に乳頭状の内皮増殖,すなわち互いに交通する血管腔を囲み,一層の内皮細胞で覆われた乳頭状の索状形成,が多少とも認められた.
3) IPEHおよびその類症について原著論文中心に検討し,ある程度の臨床的特徴がみられること,血栓およびその器質化と関係が深いこと,何らかの基礎疾患に続発したものと考えられること,良性かつ反応性の増殖である点でIPEHという名称が現時点では最も好ましいことなどを指摘した.
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