icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻12号

1980年12月発行

文献概要

原著

多発性グロムス腫瘍

著者: 木花光1 山崎雄一郎1 北村啓次郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1175 - P.1181

文献購入ページに移動
1)多発性グロムス腫瘍の28歳女子例を報告した.両上腕伸側に皮下腫瘍として12個存在し,数個に圧痛を認め,被覆表皮が紫紅色を呈したものもあった.圧痛の強かった腫瘍を摘出し,病理組織学的に真皮から皮下にかけてグロムス細胞に囲まれ,不規則な形の拡張した内腔を有する異常血管の増殖を認めた.また腫瘍内に神経が見られた.
2)多発性グロムス腫瘍の本邦報告例26例を集計した.10歳代,20歳代の発症が多く,腫瘍の個数は10個以下が多かった.ほとんどの例で被覆表皮は青色〜紫紅色を呈した.多発性グロムス腫瘍と単発性グロムス腫瘍では,腫瘍の個数だけではなく臨床及び組織所見において種々の相違があるが,多発型の中には単発型の異型と考えられるべき,単発型に類似の所見を示す例も多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?