文献詳細
文献概要
原著
Phialophora gougerotii感染症の1例
著者: 行木弘真佐1 石川英一1
所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.279 - P.284
文献購入ページに移動 68歳,男子.初診の7年前に脳卒中の発作があり,以後左半身不随となる.2年前に右頬部に擦過傷を2回負ったことあり.昭和52年3月頃,右頬部に黒褐色皮疹生じ,漸時拡大し,翌年6月には左頬部にも出現した.臨床的には紅斑浸潤局面と黒褐色結節を,組織学的には肉芽腫性変化を呈し,組織切片の培養にて黒色真菌を得,集落の形態,培養所見からPhialophora gougerotiiと同定,福代らのいう"chromomycosis様Phialophora gougerotii感染症辱"に一致すると思われた.治療としてはカイロの温熱療法,クロトリマゾールクリームのODTを施行するも効なく,5—FC 6.5g/day (100mg/day)を1,072g投与した時点で,臨床的にはかなり改善したが,組織内菌要素,培養はいずれも陽性であった.なお,5—FCの本分離菌に対するMICは25μg/mlであった.
掲載誌情報