文献詳細
原著
文献概要
5歳女児に多発する基底細胞母斑(Basal cell ncvi, multiple basal cell cpithelioma, nevobasalioma,母斑性基底細胞上皮腫等,以後BCNと略す)と掌蹠の点状陥凹を認めた.家族歴は母方の祖父母が従兄妹同志であり,母に同様の結節性皮疹と掌蹠のpitsを認め,さらに家人の言では10歳の兄にも同様の結節性皮疹をみるという.背部小結節の生検組織像は典型的であった.本例は顎骨嚢腫,骨形成異常,異所性石灰沈着,眼・中枢神経症状を伴わず,現在みられる皮疹と遺伝歴のみではncvoid basal cell epithelioma syndrome (以下NBCESと略す)と呼称するには必ずしも相応しくないと思われるが,今後上述した他の外胚葉・中胚葉系の異常が発現し,NBCESに移行する可能性がある.
掲載誌情報