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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻5号

1980年05月発行

文献概要

原著

IgG型抗基底膜抗体が証明されたHerpes Gestationis

著者: 細川みゑ子12 岡吉郎12 五十嵐良一2 佐藤信輔2

所属機関: 1長岡赤十字病院皮膚科 2新潟大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.411 - P.416

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要約 25歳,女性の妊娠性疱疹の1例を報告した.初回妊娠2ヵ月目頃から発症.臍部および四肢にほぼ対称性に瘙痒の激しい小水疱および緊満性の大型水疱を混じえる浮腫性紅斑を認める.粘膜疹は認めない.検査成績は白血球数15,200,好酸球6%.水疱内容に好酸球多数,ヨードカリ貼布試験,陰性.IgE 3,257u/ml.組織学的には乳頭層の浮腫と基底膜下のリンパ球,好酸球浸潤が著明で,電顕的にも表皮細胞の変性よりも真皮の浮腫性変化の方が著明であった.螢光抗体法では,皮疹部の基底膜部にIgG,C3,C9が線状に沈着.また血清中にIgG型抗基底膜抗体を認める.分娩は正常で健康男子を出産した.出産後,皮疹は軽快したが,約1年後も抗体価にはとくに変動がみられず,抗体価と臨床症状に相関は認められなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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