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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻6号

1980年06月発行

文献概要

原著

先天性皮膚弛緩症

著者: 木村俊次1 籏野倫1 辻敦敏2 三浦琢磨2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2慶応義塾大学小児科教室

ページ範囲:P.457 - P.464

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 定型的な先天性皮膚弛緩症を呈した6ヵ月女児例について皮膚を光顕的・電顕的に観察するとともに全身諸臓器の検索を行った.その結果,光顕的には弾力線維の減少・繊細化・断裂・顆粒状変化および酸性粘液多糖類の増加を認め,電顕的には膠原線維間および小動脈壁の弾力線維のエラスチン沈着減少と線維芽細胞粗面小胞体の増加・拡張とを認めた.膠原線維は若干の染色性の変化と太さの不揃いとを示したが,著しい異常は見出せなかった,内臓の検索では血管造影で上行大動脈拡張,下行大動脈の延長と蛇行,頸・腕・冠動脈の蛇行,末梢肺動脈の狭窄など大血管系の異常を認めた他は著変なかった.本症の内外報告例を集め,本邦例について検討を加えるとともに,光顕像・電顕像・分類などについてまとめた.また病因についてはエラスチン合成障害説を支持した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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