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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻6号

1980年06月発行

文献概要

原著

陰嚢の丘疹とDyschromatosis様皮疹を伴ったPringle病の1例

著者: 余幸司1 飯島正文1 中内洋一2 堀嘉昭3

所属機関: 1東京大学隊学部皮膚科学教室 2三楽病院皮膚科 3東京大学医学部付属分院皮膚科

ページ範囲:P.465 - P.470

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 32歳男子の結節性硬化症患者にangiofibroma・shagreen patch・Koencn tumorなどの典型疹の他,陰股部を中心とする色素沈着斑と脱失斑の混在及び陰のう部の小丘疹が認められ,これらの皮疹と従来本症に伴う葉形白斑及びangiofibromaとの異同を論じた.
1) TSの1症例に典型疹の他に,陰股部を中心とした色素沈着と脱失斑の混在及び陰のう部の特異な小丘疹を認めた.
2)色素沈着部の表皮メラノサイトはメラノソームの増加の他に異常はないが,白斑部の表皮ドーパ陽性メラノサイト数は減少し,電顕的にはメラノサイトの変性像が認められた.3)陰のう部小丘疹では表皮直下から乳頭下層に,eosin濃染,PAS陽性,ジアスターゼ抵抗性,トルイジンブルーで青く染まる物質の存在を認めた.
4)自験例における陰股部を中心とする色素異常及び陰のう部小丘疹と従来報告されたTSの病変の異同を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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