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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻6号

1980年06月発行

原著

Sjogren症候群—紅斑の意義について

著者: 加茂紘一郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.487 - P.494

文献概要

 従来Sjogren症候群では特異的な皮疹を欠くために,皮膚科的な認識はうすく僅かにsicca syndromeとして知られているにすぎない.著者は臨床的にまた組織学的に多くの共通点を有するい"浮腫性紅斑"を主症状とし,諸検査の結果Sjogren症候群と診断した3症例を経験したのでまとめて報告するとともに,本邦皮膚科領域における紅斑を有するSjogren症候群例5例と併せて検討を加えた.
これらSjogren症候群に伴う紅斑の共通した性状は,貨幣大まての境界明瞭な浮腫性紅斑で,自覚的に殆ど症状を認めない,発生部位は顔面に最も多く,上肢,躯幹に認める例もある.性別は全例女子,平均年齢39.7歳と本邦皮膚科領域におけるSjogren症候群26例の平均(44.5才)に比し低いがS.L.E.の初発年齢に比べるとかなり高年齢である.
以上の特徴を有する原因不明の"浮腫性紅斑"を検索する場合,Sjogren症候群も考慮にいれる必要のあることを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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