icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻7号

1980年07月発行

文献概要

原著

Amelanotic Malignant Melanomaの1例

著者: 高橋邦明1 石井正光1 濱田稔夫1 金山良春2

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2大阪市立大学医学部内科学第一教室

ページ範囲:P.621 - P.626

文献購入ページに移動
 61歳,男性の足底に原発したamelanotic malignant melanomaの1例を報告した.初診の約4ヵ月前に右踵部の小結節に気づき,近医で切除を受けたが創部が潰瘍化して治癒しにくいため当科受診し,再切除・植皮術を施行したが同時に右大腿リンパ節に転移を認めた.原発巣の組織像は,腫瘍巣の表皮が壊死化し,最上層より真皮中層に胞体の明るい,クロマチンに富む核をもつ腫瘍細胞が胞巣状をなし,これら腫瘍巣のごく一部と角質層の一部にpremelanin反応弱陽性を示すものの,dopa反応は陰性であった.その後,右下肢に転移性皮下腫瘤を数個生じ,そのうちの右大腿部腫瘤の電顕像では未熟なプレメラノゾームと考えられる顆粒を認めた.BCG-CWS,丸山ワクチン,クレスチン?,マイトマイシンC,βトロンなどで治療するも無効で,ムンプスウイルスワクチン投与を行ったところ,右大腿部腫瘤の軟化,増大停止など有効性を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?