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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻8号

1980年08月発行

原著

Epidermolysis Bullosa Simplex of the Hands and Feet(weber-Cockayne)の1例

著者: 村田譲治1 末次敏之1 藤沢龍一1 橋本謙1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.749 - P.755

文献概要

 4歳9ヵ月の女児に発生したepidermolysis bullosa simplex of the hands andfeet(Weber-Cockayne)の1例を報告した.高温多湿の夏季に両足底に小指頭大までの水疱が出没したが,冬季には水疱の発生がなかった.父方の家系内に3世代にわたって同症を認め,優性遺伝型式が認められた.組織学的には表皮内水疱が形成され,その水疱底は基底膜直上にあった.電顕的には基底細胞間とsuprabasals paceに裂隙が存在し,裂隙周囲の基底細胞にはtonofilamentの凝集が認められた.
 本症の本邦における報告はいまだ極めて数少なく,本邦において,明らかに常染色体優性遺伝型式をとっている家系内発生例としては,自験例が初めてと思われる.
 また本邦例4例について概括し,自験例の臨床的,病理組織学的,電顕的所見により,本症を手足のみに限局するepidermolysis bullosa simplexの1亜型と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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