icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻8号

1980年08月発行

原著

免疫学的異常を伴ったWeber-Christian病の1例—螢光抗体法所見について

著者: 岩月啓氏1 田上八朗1 山田瑞穂1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.757 - P.762

文献概要

遅延型免疫反応低下と螢光抗体法により病変部に補体の沈着が検出されたWeber-Christian病の1例を経験した.PPD,カンジダ抗原,SK/SD,PHAの皮内反応は陰性または弱反応を呈し,DNCB皮膚感作試験は一旦成立したが陰転した期間もあり変動を示した.末梢リンパ球減少とEロゼット形成細胞の低率が認められた.螢光抗体法では,病変部血管壁,毛嚢周囲,真皮表皮境界部にC1q,C3の沈着を認め,ヒスタミン注射部には,血管壁にIgM,C1qの沈着がみられた.間接法では,患者血清中の流血抗体の存在を疑わせる所見を得た.
本症の病因として,細胞性免疫低下と並んで液性免疫の異常が関与している可能性がある.また,relapsing polychondritisとの病因的類似性もあると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら