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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科34巻9号

1980年09月発行

文献概要

原著

白斑初期発症時における2症例の病変部皮膚の光顕的電顕的検索

著者: 野崎憲久1 水野栄二1

所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.799 - P.808

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 発症後数日ないし3ヵ月の白斑初期病変と思われる2症例(17歳,30歳,女)の,1例は顔面,頸部の限局例,他の1例は汎発例で最近腰部に発症したものにつき,光顕的,電顕的に検索した.光顕的には2例とも表皮し層におけるメラニン顆粒の排出促進,一部に水疱形成あり真皮内には種々の程度の血管周囲性浸潤を認め,電顕的にはメラノサイトの胞体内には僅少,樹枝状突起の末端部にメラノソームを豊富にみとめ,メラノソーム複合体の形をとるものが存在すること,メラノソームや細胞残渣物を貪食したマクロファージの表皮基底膜通過像を2例それぞれに観察したことより,メラノソームのメラノサイトからケラチノサイトへの移行障害を疑わせた.また炎症性と見られる機序によりケラチノサイトの変性,壊死を来し,表皮内でマクロファージにより貪食されて真皮内に滴落するpathwayも考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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