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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻1号

1981年01月発行

文献概要

薬剤

シラミ症に対するフェノトリン粉剤の臨床試験

著者: 笹川正二1 香川三郎2 大滝倫子2 石川英一3 折原俊夫3 岡本昭二4 藤田優4 中内洋一5 福山柳6 木下正子7

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科教室 2東京医科歯科大学医学部皮膚科教室 3群馬大学医学部皮膚科教室 4千葉大学医学部皮膚科教室 5三楽病院皮膚科 6市立豊中病院皮膚科 7河北総合病院皮膚科 8スミスリン研究班 9住友化学工業(株)医薬事業部安全性管理部

ページ範囲:P.93 - P.98

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はじのに
 昭和18年〜22年の終戦前後にかけてコロモジラミ,アタマジラミ,ケジラミが全国的に蔓延したが,外国からのDDT, BHCなどの殺虫剤により,その後数年を待たずにほとんど駆除されてしまった.しかし,有機塩素剤や水銀軟膏は毒性が強く,使用禁止になって以米,適当なシラミ治療剤がなく,最近ケジラミ,アタマジラミの増加にもかかわらず,その治療に困る場合が少なくない.
 このたび,住友化学工業株式会社より提供されてピレスロイド系殺虫剤を使ったフェノトリン粉剤をシラミ症に治験する機会を得たので,その使用経験について報告する.フェノトリンは商品名スミスリンといい,合成ピレスロイドとして開発されたもので,3—フェノキシベンジルアルコールとd—シス/トランス—クリサンテマートの縮合物で,従来のピレスロイドに比し,化学的に安定で,毒性が低いことが特微的である.またパッチテストにおいても皮膚刺激性がほとんどなく,人体用としては最も安全性が高い殺虫剤であると考えられる.治験にあたってはスミスリン研究班をつくり,東京慈恵会医科大学,東京医科歯科大学,群馬大学,千葉大学,三楽病院の5施設の皮膚科を主とし,シラミに対するフェノトリン粉剤の効果,薬剤の安全性,使用方法等について調査表を用いて検討を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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