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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻10号

1981年10月発行

文献概要

原著

母乳栄養中に一過性にみられた腸性肢端皮膚炎

著者: 内山安弘1 新井佳代1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.921 - P.924

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 3ヵ月,女児.母乳栄養中に皮疹の生じた腸性肢端皮膚炎の1異型例を報告.両親,祖父はともにいとこ同志で,両親と長兄の血清亜鉛値は各々65μg/dl (正常値下限)で,患児の血清亜鉛値は皮疹悪化時24μg/dlと低値を示した.また同児分娩より5ヵ月の時点で測定した母親の母乳中亜鉛量も38μg/dlと比較的低値を示した.リンゴジュース(亜鉛量:94μg/dl)の飲用,5%チンクカーボワックスの外用にて血清亜鉛値は1週間後に45μg/dlと増加し,それに伴って皮疹も改善を示した.以上から自験例においては亜鉛低値の母乳摂取が誘発因子となって本症が発生したと考えられる点,従来の報告例と異なる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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