文献詳細
原著
Urticarial Vasculitis—膠原病との関係について
著者: 田中俊宏1 樋口貴子1 山元真理子1 堀口裕治1 荻野篤彦1
所属機関: 1国立京都病院皮膚科
ページ範囲:P.1107 - P.1110
文献概要
症例1(16歳,女性)蕁麻疹様皮疹が繰り返し出現し,関節痛・蝶形紅斑様皮疹・精神症状がみられた.補体の一過性の低下・血沈の軽度亢進がみられた.
症例2(16歳,女性)発熱の1週間後に蕁麻疹様皮疹が出現し,同時に多関節痛があった,CRP (4+),γ—グロブリン25%,血沈亢進,ASLO 640 Toddであった.
症例1はSLE,症例2はリウマチ熱との関係を思わせるが,各々の診断基準は満たさない.Urticarial vasculitisは,entityというより,膠原病ないし膠原病様の症候群を構成する1症状にすぎないと考えられる.
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