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原著
文献概要
51歳男子の下肢に生じたリンパ管型皮膚スポロトリコーシスの1例を報告し,本症の下肢発症が比較的少ない原因について考察した.すなわち,諸家の報告によれば下肢発症が10%以下と少ないのは,本症の好発時期である冬から初春にかけては下肢が戸外で露出され難く,従って菌侵入の機会が少ないことによるものと考えられた.
原因菌のSporothrix schenckiiの温度依存性に関連し,病変部からの菌分離に対する培養温度の影響を検討した結果,自験例ではサブロー・ブドウ糖寒天斜面培地上,37℃で菌は分離されず,35℃では菌の発育は緩徐で,色素産生能に乏しい集落がえられた.一方,27℃での集落の出現・発育はすみやかで,色素産生も旺盛であった.
原因菌のSporothrix schenckiiの温度依存性に関連し,病変部からの菌分離に対する培養温度の影響を検討した結果,自験例ではサブロー・ブドウ糖寒天斜面培地上,37℃で菌は分離されず,35℃では菌の発育は緩徐で,色素産生能に乏しい集落がえられた.一方,27℃での集落の出現・発育はすみやかで,色素産生も旺盛であった.
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