薬剤
Amcinonide軟膏の経皮吸収による副腎皮質機能抑制の検討—0.12% betamethasone 17-valerate軟膏との比較を中心に
著者:
武田克之1
榎本充邦1
野本正志1
所属機関:
1徳島大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.187 - P.194
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皮膚科領域において,Sulzbergerら1)がはじめてhydrocortisone 21-acetateを湿疹・皮膚炎群に外用し,優れた治効をおさめたと報告してから,すでに4半世紀を経た.その間数多くの追試をへてその優れた治療効果が確認されるにつれ,より強力な薬理活性をもつコルチコステロイド外用剤(以下コ剤と略記)が開発,市販されて2),今日では皮膚疾患治療に不可欠の薬剤となっている.しかし強力なコ剤が短期間用いられた場合にも,弱いコ剤が長期間使用された場合にも,経皮吸収された外因性のコルチコステロイドの血中濃度が一定の値を持続するようになると,間脳—下垂体—副腎系へのfeedback機構が働いて内因性コルチゾールの分泌は抑制され,コルチコステロイド内用療法に比較して軽いとはいえコ剤の経皮吸収による全身への影響は否定しえず,乱用をいましめる声も少なくない3,4).
著者らは日本レダリー社から0.1% amcinonide軟膏を提供され,その密封包帯法occlusive dressing technique(以下ODTと略記)による外用がヒト副腎皮質機能におよぼす影響を検討したので報告する.