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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻4号

1981年04月発行

文献概要

原著

菌状息肉症の全身皮膚電子線照射療法

著者: 安立あゆみ1 高井和子1 阿久津順1 林顕宗1 安江隆1 佐々田健四郎1 桜井邦輝2

所属機関: 1国立名古屋病院皮膚科 2国立名古屋病院放射線科

ページ範囲:P.297 - P.302

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 菌状息肉症計5例(汎発型4例,限局型1例)に対し,全身皮膚電子線照射を行った.総線量3,000rads照射終了時には,全例とも皮疹は完全寛解導入に成功したと考えられた.副作用としては,一過性の白血球減少,脱毛,胃腸障害が主なものであった.本法は重篤な副作用がなく,寛解期間も比較的長いので,広範囲皮疹を有する菌状息肉症に対しては,今日のところ最も有効な治療法と考えられたが,3例で3〜5ヵ月後に再発がみられたようにかなり再発率が高く,本法単独では本症の完治は困難であり,寛解期間延長のため併用療法や維持療法の確立が必要であると思われ,免疫増強剤の併用もその1つではなかろうかと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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