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原著
文献概要
昭和43年から昭和54年までの12年間の,当科における扁平苔癬様薬疹25例と,扁平苔癬24例を臨床的,組織学的に比較検討した.扁平苔癬様薬疹は,基礎疾患をもつ高齢者に多く,かつ皮疹が広範囲に及ぶものが多かった.皮疹はより多彩であり,水疱・血疱形成例が7例みられた.また丘疹のほか,紅斑,色素沈着,皮疹の癒合性がかなりの頻度で認められた.それらの差異は,組織学的には,基底層の変性細胞や色素失調がより高率で,かつ著明な症例が多かったことと符合すると考えられた.
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