文献詳細
原著
文献概要
水族館動物飼育員の2例(31歳,男,27歳,女)の手指関節背面に軟かい紅色結節をみとめ,細菌培養によりM. marinumを証明した.飼育員の勤務場所の動物飼育水槽の汚物等の培養により,スナメリ飼育水槽水垢より本菌を検出した.全国水族館関係者のアンケート調査により(調査施設42ヵ所)11施設,23例が本症と考えられる病変を有していたことが明らかとなった.病変は手指16例,手背2例,肘部2例,不明3例で手指に多い.感染経路の明らかなものは魚類一般8例(内1例は濾過槽の飼育水から本菌を証明),熱帯魚淡水産3例,熱帯魚海水産1例で自験例はスナメリと共にコーラルフィシュの飼育に当たっていた.飼育水温が夏期27.5℃であり,本症の発生には外傷に加えて飼育水槽水,さらに水温が関連する可能性がある.
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