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原著
晩発性皮膚ポルフィリン症の1例
著者: 高橋仁子1 松尾聿朗1
所属機関: 1東海大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.419 - P.425
文献購入ページに移動 32歳,飲酒歴のある男性の晩発性皮膚ポルフィリン症につき報告するとともに,本症の発症要因と皮膚症状の発現機序に関して文献的考察を試みた.本症はuroporphyri—nogen decarboxylase, uroporphyrinogen Ⅲ cosynthetase活性低下による代謝障害と考えられ,遺伝の明らかな症例では常染色体優性遺伝形式で,uroporphyrinogen decarboxylase活性低下が認められる場合がある.光活性化された皮膚内に存するポルフィリン体が酸素と反応して一重項酸素を生じ,それが細胞の膜システムの脂質を過酸化することから続発する細胞障害が,皮膚症状の発現の主な経路と考えられている.
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