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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻6号

1981年06月発行

文献概要

原著

手足口病の臨床的観察—盛岡市における最近の流行より

著者: 小川婦美子1 昆宰市1 伊崎正勝1 小川英治2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科教室 2小川小児科医院

ページ範囲:P.519 - P.524

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 盛岡地方において1969年〜’70年および1978年〜’79年の2回にわたり手足口病の流行をみ,その疫学的,臨床的観察を行った.起因ウイルスは,1969〜'70年はコクサッキーA 16(CA 16),’78年はエンテロウイルスタイプ71(E 71)で,’79年はふたたびCA 16であった.流行はCA 16による手足口病は夏季より翌春に至るまで継続してみられたが,E 71によるものは夏季に集中してみられた.
年齢はCA 16による手足口病は乳幼児に多発し,E 71によるものは年長児に多い傾向を示した.皮疹の発生部位は手足口に限局せず全身性にひろがる傾向がみられ,とくに臀部の皮疹は高率にみられ,年少児ほどこの傾向は著明であった.皮疹の性状はCA 16によるものに定型的水疱形成が多く,E 71による皮疹は水疱がやゝ小さく,丘疹が多くみられ,全身性にひろがる傾向がより著明にみとめられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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