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原著
文献概要
要約 国立駿河療養所において,225名の患者の皮膚疾患調査を行った.有病者は195名(86.7%)で,高齢者に多かった.疾患別では,表在性真菌症が多くみられ,趾の変位,変形,運動麻痺などが大きな要因と考えられた.角化症は関節部にみられ,物理的刺激,生物学的刺激などが慢性に加えられて生じたものと考えられた.湿疹はいずれも軽〜中等度症で,知覚麻痺,運動麻痺により掻破しないことが増悪傾向を抑制しているようであった.その他乾燥性皮膚も多くみられたが,悪性腫瘍はボーエン病の2名のみであった.これら皮膚疾患のほとんどは免疫不全とは無関係で,もしあったとしても二次的な関係で,皮膚疾患の多くは原病の神経,皮膚,眼などの障害に伴う因子が重要なように思われた.
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