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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻7号

1981年07月発行

文献概要

原著

Amelanotic malignant melanoma—手術療法とそれに併用したOK−432の免疫療法が奏効したと思われる1例

著者: 谷井司1 石井正光1 高橋邦明1 櫻根弘忠1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.591 - P.597

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 74歳,女性の足底に原発したamelanotic malignant melanomaの1例を報告した.初診の約15年前より両足底に左右対称性に鶏眼様皮疹があり,よくカミソリなどで削っていたが,約4ヵ月前より右足底の皮疹が急速に隆起,増大し,初診時右足底第Ⅴ趾直下に3×3×1.2cmの扁平に隆起したやや紅色の腫瘤がみられた.病理組織学的に,真皮上層から皮下脂肪層に垂直性に浸潤した腫瘍細胞群がみられ,level 5のnodular melanomaの所見を示した.細胞型はpleomorphic typeで,腫瘍細胞には一部を除いてメラニン顆粒はみられず,dopa陽性を示す部位が散見された.電顕的に腫瘍細胞内にmelaosomeがわずかに認められ,電顕dopa反応では未成熟のmelanosomc,空胞,ゴルジ装置などにdopa陽性を示した.治療として病巣部の広範囲切除に加えて,OK−432(picibani®による免疫療法を施行したところ,細胞性免疫能の亢進が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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