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原著
乳房外Paget病の剖検例
著者: 幸田衞1 籏持淳1 植木宏明1
所属機関: 1川崎医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.617 - P.622
文献購入ページに移動症例1,66歳男,9年前陰嚢に初発し,湿疹として治療される.初診時すでに腫瘤を形成し,真皮内浸潤,リンパ節転移が認められた.手術,放射線,5—FUにて治療するも度々再発し,2年後に全身衰弱,呼吸不全のため死亡した.転移は肺,胸膜,脊椎骨および肺門,大動脈周囲,気管周囲リンパ節に見られた.
症例2, 71歳男,4年前恥丘部に初発し,湿疹として治療される.初診時すでに腫瘤形成,真皮内浸潤,リンパ節転移が認められた.放射線療法を施行したが肝転移症状が進行し,4ヵ月後に肝不全,消化管出血にて死亡した,転移は肝,肺,脊椎骨および肺門,大動脈周囲,肝門リンパ節に認められた.乳房外Paget病の全身転移で死亡した報告例を文献的に考察し,早期発見,早期治療の必要性を強調した.
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