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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻7号

1981年07月発行

文献概要

原著

Recklinghausen母斑症にみられたPachydermatoceleの1例

著者: 船曳雄一1 宮里肇1 田嶋公子1 川村太郎1 池田重雄1

所属機関: 1埼玉医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.633 - P.638

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 39歳の主婦Recklinghausen母斑症の,右腰部から大腿部にわたる巨大なpachy—dermatocele (PDCと略称)の1例につき臨床所見,組織学的所見及びその治療成績につき述べた.また文献例に埼玉医大症例を加えて以下の結論をえた.
1) PDCがRecklinghausen母斑症に認められる頻度は母集団によってかなり異なる.
2)本邦報告例では顔面,特に眼瞼及びその附近に好発する.
3)組織豫は,神経線維腫を基調とし,パリセード結節,色素細胞などを混ずる.
4)拡張した血管が多数存在するので,小さな腫瘍内切除は行わない方がよい.
5)手術適応は明確にした方がよい.
6)本症例のように大きいものでは,順次切除(serial excison)が得策になりうる.
7) PDCは,悪性化する場合があるため,定期的に経過を追う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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