icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻7号

1981年07月発行

文献概要

原著

Microsporum gypseumによる爪白癬

著者: 岡吉郎12 古田島昭五3

所属機関: 1長岡赤十字病院皮膚科 2新潟大学医学部皮膚科学教室 3長岡中央病院皮膚科

ページ範囲:P.645 - P.648

文献購入ページに移動
 46歳,男,医師の左中指に生じたMicrosporum gypseumによる爪白癬を報告した.本例は爪囲炎症状をもって発症し,爪甲の脱落をきたして来院した.これまでに報告された例も爪囲炎症状を伴い,爪の基部から病変が始まっており,これがM. gypseumによる爪白癬の特徴であろうかと考えた.
分離菌についてNannizia gypscaとの交配試験を行ったところ,+株,−株の両者とcleistotheciaの形成を認めた.また感染源の検索のため,飼イヌの毛,庭土からkeratino—philic fungiの分離を試みたところ,いずれからもTrichophyton ajelloiを得,当地方の土壌中にもT. ajelloiが分布していることを確かめたことになった.M. gypseumは分離できなかったが,やはり土壌中の菌が後爪廓の小外傷から侵入して発症した可能性が強いと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?