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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻8号

1981年08月発行

文献概要

原著

初期類器官母斑—未熟毛包を顕著に認めた症例

著者: 成田博実1 武富功雄1 井上勝平1

所属機関: 1宮崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.679 - P.682

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 症例,6歳男.生下時より左頭頂部に脱毛局面があった.初診時,粗大皺襞を有する一見瘢痕状の淡黄褐色脱毛局面を認めた.組織学的には,肥満細胞の浸潤した厚い結合織に囲繞された未熟な毛包が真皮中層に多数認められた.未熟毛包の半数に2分乳頭を認めた.表皮は部分的な肥厚を示し,皮脂腺は未発達であった.
一般にorganoid nevusの初期臨床像は平滑ないし微細顆粒状の脱毛局面であるのに自験例では粗大皺襞を認めたこと,未熟毛包が顕著であることは通常のorganoid nevusには見られない所見であるが,表皮肥厚,結合織の異常,未発達な皮脂腺などの所見は本症の初期像にもっともよく一致すると考え,未熟毛包を顕著に認めた初期organoid nevusと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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