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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻8号

1981年08月発行

文献概要

原著

いわゆるGranular Cell Tumor—頭皮に生じた1例の報告と本症の起源についての考察

著者: 大山克巳1 平井昭男1 木村俊次1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.687 - P.692

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1)36歳,女子右側頭部頭皮に生じたいわゆるgranular cell tumorの1例を報告した.
2)頭皮発生例は従来の本邦例には認められず,本邦第1例と思われる.
3)組織学的に定型像を示したが,ズダンⅢ染色一部陽性で,立毛筋との部分的連続性も認められた.
4)電顕的に腫瘍細胞は部分的に基底板様構造を有し,種々の電子密度を有する大小の顆粒に富む.Angulate bodyは間質の細胞に多数認められたが,腫瘍細胞自体にも少数認められ,かつ,通常の顆粒とangulate bodyとの移行像を思わせる構造も認められた.
5)本腫瘍の起源に関する諸説を概観し,自験例では多元説を支持した.
6)自験例で認められた腫瘍下方の小動脈内腔狭窄所見は,本腫瘍増殖が反応性であることを示唆する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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