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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻8号

1981年08月発行

原著

Amelanotic Melanoma—螢光法(Falck & Hillarp)による確定診断

著者: 森嶋隆文1 長島典安1 花輪滋1 石川豊祥1 佐藤和三2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2中野共立病院皮膚科

ページ範囲:P.705 - P.710

文献概要

 Amelanotic melanomaの確定診断にはメラニン産生能の証明が不可欠である.螢光法(Falck & Hillarp)がamelanotic melanomaの確定診断に有用であった73歳,男子例を報告した.本例は臨床的には左第1指末節掌面の痂皮性〜角化性病巣であって色素異常を欠いており,病理組織学的には悪性黒色腫の像に一致するが,腫瘍細胞内にメラニン顆粒は見出しえなかった.しかし,螢光法で観察すると腫瘍細胞はDOPA or cysteinyldopaの存在に基づくと思われる特異螢光を発し,またDOPA反応弱陽性を示しており,本例をprimary amelanotic melanomaと診断した.本例で興味ある所見は,黒色腫細胞がtyrosinase活性とDOPA or cysteinyldopaを有するにもかかわらず,メラニン形成が欠如していたとの事実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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