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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻8号

1981年08月発行

原著

癤腫様皮膚病変を伴った播種型アスペルギルス症の1例

著者: 洲脇正雄1 頼敏裕2 堤啓3

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室 2岡山大学医学部内科学教室第2講座 3岡山大学医学部病理学教室第2講座

ページ範囲:P.727 - P.731

文献概要

要約 50歳女性,肺の異常陰影および非定型白血病にて当院第2内科に入院,長期に亘る抗生剤および副腎皮質ステロイド等で加療中,上肢,大腿,腰,背等に癤様皮内硬結が散布状に多発した.組織学的には真皮全層におよぶ膿瘍と,その中心部から脂肪織内にかけて2分岐性の太い菌糸の侵襲を認め,生検材料の培養よりAspergillus fumigatus(以下A. fumigatus)を分離した.
皮疹発生約2ヵ月後に脳硬塞様症状,心不全を併発し死亡した.剖検所見で皮膚以外に肺,心,肝,腎,脳,小腸,大腸等に播種型アスペルギローム巣を認めた.僧帽弁および大動脈弁直下心内膜にはA.fumigatusによる疣贅状心内膜炎を観察し,これを広汎な血行性散布の元凶と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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