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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻8号

1981年08月発行

文献概要

原著

α-メルカプトプロピオニールグリシンによる薬疹の2例

著者: 新村陽子1 小野真理子1 宅間幸子1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.733 - P.737

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要約 症例1;20歳,女.多形滲出性紅斑のため,α-メルカプトプロピオニールグリシン(チオラ)300mg/日,9日間,内服後に発疹出現.発疹型は顔面に蝶形紅斑,躯幹,四肢は麻疹型.発熱,リンパ節腫脹あり.膠原病,ウイルス感染症を疑い諸検査を施行したが,CRP(⧺),リンパ球減少以外に著変なし.軽快後の貼布試験,皮内試験遅延型反応,内服試験はいずれも陽性.
症例2;32歳,女.皮脂欠乏性湿疹のため,チオラ内服11日後に同様の薬疹を生じた.以上の症例を報告し,若干の文献的考察を加えた.自験例はSLE様紅斑を呈した点,興味深く,D-ペニシラミンとの構造上および両者による薬疹の臨床型の類似性に注目した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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