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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻9号

1981年09月発行

文献概要

原著

Pagetoid悪性黒色腫—スナップ写真による初期病変及び拡大様式の観察並びに螢光法(Falck & Hillarp)による観察所見を中心として

著者: 森嶋隆文13 花輪滋1 長島典安1 遠藤幹夫1 岡本竹春2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2春日部市立病院皮膚科 3駿河台日大病院皮膚科

ページ範囲:P.813 - P.818

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 右上腹部に原発し,右腋窩リンパ節転移をみた45歳,男子例を報告した.本例の初期病変は小学生頃に存した黒子様皮疹であって,これが初診10年前にも類円形の黒子の像にとどまっており,その後主として側方に拡大して初診2年前には明らかにPagetoid悪性黒色腫の臨床像を呈していたことがスナップ写真を通して確認できた.螢光法的には原発巣の腫瘍巣を構成する,またケラチノサイトに孤立性に存する腫瘍細胞に樹枝状突起を認め,転移巣では腫瘍細胞はメラニン顆粒を欠くも特異螢光を発し,さらに一見メラノサイトを思わす,多極性〜双極性の樹枝状形態を示す腫瘍細胞の混在をみた.原発巣と転移巣との生化学的分析結果から,特異螢光の起因物質は主としてPheomelaninの中間代謝産物である5-S-Cysteinyldopaの存在に基づくものと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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