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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科35巻9号

1981年09月発行

原著

ゴルフボール液芯の噴出によるバリウム肉芽腫の1例

著者: 石井芳満1 武富功雄1 井上勝平1

所属機関: 1宮崎医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.841 - P.845

文献概要

 ゴルフボール液芯の噴出により顔面に受傷し,その後にバリウム肉芽腫bariumgranulomaを生じた15歳男子を報告した.組織学的に主として大単核球,多核巨細胞より成る成熟肉芽腫mature granulomaの像を呈した.巨細胞内外に大小不同の砂状ないし結晶様異物が多数認められ,結晶様異物は重屈折性偏光を示した.X線回析および電子顕微鏡所見から,これら組織内異物を硫酸バリウムと同定し,ゴルフボール液芯中に含まれる硫酸バリウムにより生じたバリウム肉芽腫と診断した.ゴルフボールの中心には飛行距離を延ばす目的で高圧の液芯があり,不用意に切り裂いたりすると噴出し失明,外傷の危険性が警告されているが,さらに肉芽腫形成があることを指摘した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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