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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻1号

1982年01月発行

文献概要

原著

環状肉芽腫にみられる肉芽腫性炎症の発生機序の組織学的解析

著者: 岩月啓氏1 田上八朗1 青島忠恕1 山田瑞穂1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.9 - P.15

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 環状肉芽腫の炎症機序を組織学的,免疫組織学的および細胞化学的に検索した.Palisading granulomaが13例中8例に認められ,類壊死内の血管周囲に多核球浸潤を伴う例も認められた.血管壁にはIgM,またはC3の沈着が11例中8例に陽性であり,5例では基底層への沈着が見られた.非特異的エステラーゼ染色では,単球系細胞が密に類壊死を取り囲み,リンパ球は血管周囲性に浸潤していた,出来はじめ)のpalisading granulomaでは,中心部に血管様構造の見られるものもあった.本症は血管を中心として形成される可能性があり,細胞性免疫反応と同時に液性免疫反応が共存して,特有の病像を形成するものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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