文献詳細
原著
臍部皮膚子宮内膜症の1例—月経時の組織学的所見を中心に
著者: 山城一純1 藤原直子1 鳥山史1 堀真1
所属機関: 1長崎大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.951 - P.957
文献概要
月経2日目に腫瘤に生検を行ない,組織学的,電子顕微鏡的観察を試みた.
組織学的には変性像のない子宮内膜腺と共に,内腔が不規則に開大し,空胞化をきたした腺上皮細胞と,それらが腔内に剥脱したと思われる細胞集塊を認めた.また間質組織は正常子宮の月経期に一致する細血管の増生,拡張,浮腫などが認められた.
電顕的にも腺構造部の細胞には,正常子宮内膜腺の月経期の像に一致する空胞形成,多数のlysosome様顆粒の出現などが認められた.
以上の所見より,臍部皮膚子宮内膜症も黄体ホルモンの影響を受けたことが強く示唆された.
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