文献詳細
原著
小児汎発性膿疱性乾癬の3例
著者: 小林まさ子1 児島孝行1 守田英治1 西牟田敏之2 中村千里2
所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室 2千葉大学医学部小児科教室
ページ範囲:P.979 - P.983
文献概要
症例1および症例2は吉草酸ベタメサゾン外用中に膿疱化し,感染症をきっかけとした発熱とともに皮疹の急性増悪を繰返したのち,紅皮症状態が生じて発育の遅延を来したZumbusch typeであつた,両例ともPUVA療法施行し,外用剤を酢酸ハイドロコーチゾン軟膏に変更したところ略治となった.症例3は全身症状を欠き,annular typeの皮疹を全身に呈するのみであったが,酢酸ハイドロコーチゾン軟膏の外用とPUVA療法の併用により,すみやかに軽快した.
症例1,症例2のように強力なステロイド外用剤を長期にわたり全身に使用することは,小児における膿疱性乾癬の増悪を引起すのみならず,小児期における身体的発育遅延を来す恐れがある.さらに本症におけるステロイド外用療法からの離脱にはPUVA療法を加えることが有用であると思われた.
掲載誌情報