icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

原著

エリテマトーデスを思わせた原発性皮膚形質細胞腫の1例

著者: 石田均1 田中俊宏1 戸田憲一1 荻野篤彦1 尾口基2

所属機関: 1国立京都病院皮膚科 2京都大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1067 - P.1072

文献購入ページに移動
 39歳,男.初診約5年前より両胸部,前胸部および背部に扁平隆起性紅斑を生じた.臨床検査所見ではγ—グロブリンが23.6%,IgGが2,100mg/dlとやや高値であった.頭蓋骨X線検査では数個の円形透亮像を認めた.骨髄像は正常であり,またBence-Jones蛋白および血清M蛋白は認められなかった.病理組織学的所見では,真皮の上層〜中層にかけて集塊をなしている形質細胞の密な浸潤が認められた.浸潤細胞はピロニン好性であり,また電顕的にも形質細胞であることがわかった.螢光抗体直接法では,浸潤細胞に一致してIgG,IgAおよびIgMの沈着を認めた.以上より本症を原発性皮膚形質細胞腫と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?