icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

原著

ホジキン病に合併したEcthyma Gangrenosumの1例

著者: 安野洋一1 丸尾充1 前田基彰2 大瀬千年3

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室 2京都第2赤十字病院皮膚科 3伊香病院皮膚科

ページ範囲:P.1093 - P.1098

文献購入ページに移動
 42歳,女子.ホジキン病のためVEMP療法施行中に外陰・肛囲に続き右手指,口角に壊死性の潰瘍が出現した.潰瘍は始め紅斑性腫脹から水疱形成,黒褐色壊死の経過をとり,辺縁が鋭利で深く,黒色痂皮を被る.潰瘍底および水疱内容から緑膿菌を検出し,ecthyma gangrenosumと診断した.ゲンタマイシン,トブラマイシンの投与を行ったが,約2ヵ月後に黄疸を併発して死亡した.本邦では本症の起炎菌は多種で,とくにブドウ球菌性が多いとされているが,現在欧米では本症の診断は緑膿菌によって生じた場合に限り使用されているようである.自験例の概要を報告するとともにこれらの点について若干の卑見を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?