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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

原著

スポロトリコーシスの2例

著者: 長谷井和義1 林部一人1 市橋正光1 光田篤司2 高見寿夫2

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科教室 2神戸大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.1117 - P.1119

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 62歳,男,症例1の左第4指爪郭部,48歳,女,症例2の左前腕および左下腿に生じたスポロトリコーシスの2例につき,特に治療効果に焦点を絞り報告する.両症例ともヨードカリ内服治療を行ったが,症例1はヨードカリ内服後じんま疹が生じたため,5—fluorocytosine (5—FC)の経口投与に変更し,同時にin vitroで5—FCのMICを菌糸型,酵母型で測定した.症例2および保存株についても同様にMICを測定した.その結果,MICは菌糸型では3者とも500μg/ml以上であり,酵母型では症例1は500μg/ml以上,症例2,保存株では500μg/mlで,5—FCの血中濃度は56μg/mlであった.臨床的にも5—FC投与は皮疹改善に効果を見出せなかった.今回の我々の臨床経験,in vitro結果および文献的考察から5—FCはスポロトリコーシスにはほとんど効なしと考えられた.また5—FC内服後,症例1は日光曝露部に光過敏性紅斑を呈した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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