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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻12号

1982年12月発行

文献概要

原著

M蛋白血症を伴った角層下膿疱症

著者: 池川修一1 松井雅彦1 御子柴甫1 大久保正己1 北野喜良2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科教室 2信州大学医学部第Ⅱ内科学教室

ページ範囲:P.1191 - P.1195

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 角層下膿疱症(Sneddon & Wilkinson)の49歳,女子の1例を報告した.自験例は32歳のとき,第2子妊娠時に本症に罹患し,以後増悪緩解をくり返していたが,発症17年目の検査で,IgA (κ)・M蛋白血症の合併が見出された症例である.自験例は,妊娠中発症し,出産後も月経前後に,皮疹の増悪を認めることが多く,性ホルモンとの関連を考えさせたこと,M蛋白血症を伴ったことなどが特異であった.
本症は,稀な疾患にもかかわらず,免疫グロブリン高値,M蛋白血症など血清蛋白の異常,骨髄腫の合併などの報告が少なくない.これらの合併症と本症との関連について,若干の考察を加えた.また角層下膿疱症の一部の症例は,骨髄腫の合併も考慮すべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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