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これすぽんでんす
中年女性の顔面の色素沈着について
著者: 木村俊次1
所属機関: 1慶応大学
ページ範囲:P.1238 - P.1238
文献購入ページに移動 荻野氏の論文「女子顔面黒皮症と誤れる両側性太田母斑」(本誌36(9);875,1982)を興味深く拝見しました.私どもの外来でもこの2,3年の間に,顔面に対側性に渇色の色素斑ないし色素沈着をきたした中年女性の症例で,初診時は色素沈着性接触皮膚炎と区別しにくい臨床像を示しながら,アレルゲン検索結果や生検結果などから最終的に両側性太田母斑と診断された症例が相次いで経験されています.組織学的には荻野氏の例と同様に,真皮上層のみならず中下層にもメラニン顆粒に富む細胞が散在性に認められました.
しかしながら,これらの細胞を真皮メラノサイトと断定するのは組織学的には難しいようであることから,1例について電顕的検索も併せ行ったところ,従来,伊藤母斑1)や太田母斑2)で指摘されている通りの変化,すなわち細胞の周囲に連続性の基底板とその外側の厚い鞘状構造が認められ,これらの細胞がメラノファージや青色母斑の真皮メラノサイトではなく,太田母斑の真皮メラノサイトであることが明らかになりました.これらの症例の詳細は後日報告する予定です.
しかしながら,これらの細胞を真皮メラノサイトと断定するのは組織学的には難しいようであることから,1例について電顕的検索も併せ行ったところ,従来,伊藤母斑1)や太田母斑2)で指摘されている通りの変化,すなわち細胞の周囲に連続性の基底板とその外側の厚い鞘状構造が認められ,これらの細胞がメラノファージや青色母斑の真皮メラノサイトではなく,太田母斑の真皮メラノサイトであることが明らかになりました.これらの症例の詳細は後日報告する予定です.
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